今までadobe製品の実践作例を紹介してきましたが、今回はpower pointの実践になります。
コロナ禍以降、パワポのデザインができないか、という依頼が増えてきたように思います。
実はやりかたさえ覚えてしまえば、indesignやillustratorを使う感覚に似せて使うことができるのですが、
この記事ではデザイナー向けではなく、パワポ初心者向けに紹介させていただきます。
パワポ資料をリデザインするにあたって、どのようなポイントでデザインをしているのか、
覚えてもらえればご自身で資料を作る際にも便利だと思います!
こちら元の原稿です。
そしてこれが仕上がったデザインです。
今回も動画で説明しているので、よろしければこちらから見てみてください!
まずbeforeの画像を見てもらいたいのですが、問題点がいくつかあると思います。
どのあたりが問題だと思いますか?
一番気になったのはタイトルより大きい要素があることです。
便宜的に、今回の資料をこのようにカテゴライズさせてもらいました。
上から順に、タイトル>見出し>小見出し>内容の4つです。
これらが正しい順番で目立つようにしてあげます。
なぜかというと、人の目がどこを見ればよいのかわからなくなってしまうからです。
このような横書きの資料であれば、左上から右下に向かって無意識に目が流れていきます。
しかしこの原稿のように「高品質なセミナー」という文字が目に飛び込んでしまうと、
次にどこを見たら良いのかわからなくなってしまいます。
それを避けるためにも、情報の優先順序がパッと見でわかるようにする必要があります。
2つ目の問題は、上の問題点とも関わってくるのですが、
文字サイズがバラバラな点です。
例えば「アナログ」の下の「営業」「電話」に対して、「SNS」の「Twitterやinstagram」はなぜか小さくなっています。
おそらく文字が入らなかったために、文字が小さくなってしまっているのでしょう。
このような場合には一番要素の多い箇所の文字サイズに全て揃えます。
最後にもう一つ、色数です。
黒、紫、青、赤、黄色、薄オレンジ、薄グリーン、薄ピンクとなんと8色もこの資料には使われています。
多くても同系色3色とアクセントカラー1色の合計4色くらいまでには収めたいです。
カラフルなデザインは要素がたくさんあるように見せられる反面、フォーマルな資料ではポップになってしまう上に、
情報過多になります。今回のような資料に色数はあまり必要ないと判断しました。
それでは実際に作業を進めていきます。
いきなり調整するのでもよいのですが、せっかくなので私が毎回行っているルーティンからご紹介いたします。
まずはフォントです。
今回はデフォルトの游ゴシックになっておりますが、このフォント、あまり太くすることができないので、
たくさんの太さがあるgoogle fontのNoto sans jpに変更しました。
無償で使用でき、綺麗な書体なのでみなさんも是非使用してみてください。
もう一つメリットがあり、google スライドにアップロードした際に文字周りでほぼ崩れることなく使用できます。
そちらでの使用も考えている方は、是非検討してみてください。
フォントの変え方は、一つづつ文字を選択して、変更する、というやり方もありますが、
実際の現場では数十ページもあったり、手作業だと膨大な時間を無駄にしてしまいます。
フォントの置換、という機能もありますが、今回はマスタースライドのフォントを変更します。
マスタースライド上でのフォントを変更すると、その後新規スライドで作成したページもそのフォントが引き継がれます。
メリットがかなり多いので、使ってみてください。
(macユーザーの方はフォントのカスタマイズができないので、「フォントの置換」で置き換えた方が早いです)
マスタースライドでのフォントの変更方法ですが、
「表示」→「マスタースライド」でマスタースライドを出します。
上部のパネルから、「フォント」を選択し、「フォントのカスタマイズ」を選びます。
その後出てくるフォントを全てnoto sans jpに変更すればOKです。
次はスライドのマージンを設定します。
マージンは、このガイドから外にははみ出させないようにする、という目安を作ることです。
これがあるのとないのとではかなり印象が違いますので、面倒くさがらずにやったほうがよいです。
大袈裟ですが、これはマージンを意識していない例です。
そしてこれはマージンを作って、はみ出さないように、揃って見えるように調整したものです。
ガイドの作り方は簡単です。
先ほどフォントを変更する時に開いた、マスタースライドの親ページ(左のサムネイルの一番上のスライド)を選択し、
適当な大きさの正方形を作成します。
なんとなく、画像で見えている原稿サイズの5%程度のサイズにすれば間違いないと思います。
このような形でガイドを作成しています。
文字サイズを調整していきます。
先ほど記載した通り、タイトル>見出し>小見出し>内容の順に小さくしていきますので、
このようなサイズに変更していきました。
これだとまだタイトルが少し弱く、さらに「見出し」が、色枠に入っている「小見出し」に負けているので、
タイトルと見出しも色枠にいれることにしました。
次は色を整えます。
まずは全体の色数を抑えるために、「カラー」の「テーマの色」パレットを使用して、同系色に変換していきます。
その後に、マスタースライドから「配色」の「色のカスタマイズ」を選択し、先ほど選んだ色を変更していきます、
今回は青の同系色とサーモンピンク1色にまとめました。
現状、かなりの数の四角でできたデザインになっています。
よく見ると不要な四角もありますので、これらを消しつつ、それぞれの四角の高さや幅を、
同じになるように調整していきます。
手作業で一つづつ変更するのでも問題はないのですが、時間がかかるので私は、
1セット作ったものを複製して、文字内容を入れ替える、という作業にしています。
これならズレることなく、綺麗に同じデザインをリピートすることができます。
この画像に記載のある四角を外しました。上の方法、手順でも同様です。
まずは下ブロックを完成させて、その後に上ブロックを作ります。
背景との差を出すため、シャドウも追加しました。
そして上部を仕上がったのがこのデザインです。
ほぼこれで完成、といっても問題ないのですが、
一応デザイナーなので、この先はデザインを重視して修正していきます。
今色は大きく、紫、青、ピンクの3色ですが、紫は青の同系色でまとめてしまいます。
「方法」と「手順」は「+」で結ばれているようなので、同等の扱いで問題ないと判断しました。
色は文字サイズ以外でも、デザインで内容の違いを伝えることができます。
ここでは小見出しのデザインを変更し、内容も罫線でわかるようなデザインに変更してみました。
タイトルのデザインが下と少し合っていないように感じるので、変えてあげます。
ついでに、「解決方法」だけ別扱いにしてあげることで、よりわかりやすくなると思います。
そして仕上がった最終版がこちらです。
いかがでしたでしょうか。
今回はデザインがメインでしたので、パワーポイント経験者向けに細かいソフトの使い方は省いて紹介させていただきました。
アップしている動画であればブログで説明していないメニューの場所などもわかると思いますので、よろしければそちらから確認してみてください。
それでは、ご拝読ありがとうございました!!
ブログ・動画への公開が問題ないのであれば、サンプル用としてチラシの原稿等をお送りください!
本記事のようにデザインの手順を説明しながら、無償で作成させていただきます。
仕上がったデータはそのまま印刷用としてお渡しすることも可能です。
(あくまで説明用なので、作成までお時間がかかることがございます。また、納品後に修正や追加制作は別途費用が発生いたします)