今回はこのようなHappy Hourのポスターを作成してみました。
Happy Hourと言わずとも、知り合いの飲食店等からこのようなイベントのポスターやチラシの依頼を頂くことも多いのではないでしょうか。
では早速、どのようにしてこのデザインが出来上がったのか、解説します!
動画でもアップする予定なので、アップし終えたらこちらに追記します。
まずは素材を確認した上で、配置していきます。
今回はこのような原稿だった、という想定です。
これだけです。。。
実際の飲食店さんからの依頼はこの分量であることが多いです。
しかも写真も無しなので、そのまま置いただけだとこうなります。
なかなか難しそうですね。
これでデザインを成立させる時は私なりに3つの方法があります。
1つはタイポグラフィ(文字をグラフィカルに置いて仕上げる)でなんとかする。
2つ目はグラフィック(四角や丸などの単純なグラフィックから、イラストのようなものも含める)を入れる。
3つ目は余白をいっぱい入れて、バランスをとる。
今回はHappy Hourの楽しげなポスターなので、3の余白は少しイメージが違いそうです。
すぐにイメージが思い浮かばない時は、pinterestやinstagramで、他の人のアイデアを探してみます。
大体はビールのイラストと、カッコ良い英語の入れ方で成立していることがほとんどだとわかります。
今回は昔作成した、モザイク柄の事を思い出したので、モザイク柄を使ってビールをグラフィカルに表現することを思いつきました。
モザイク柄を作るに一番知られている方法になりますが、以下に作り方を記載します。
正方形を作成したのち、「オブジェクト」→「パス」→「グリッドに分割」で、
10×10の正方形グリッドに分割します。
最初から黒で四角を作っておけばいいのですが、まず全ての正方形を黒にして、右上の1つだけを白にします。
全てを選択した状態で、「編集」→「カラーの編集」→「上下にブレンド」をすると、
以下のような状態になります。
次に、選択したまま「編集」→「カラーの編集」→「オブジェクトを再配色」を選択。
出てきたパネル下部の「詳細オプション」を選択し、
プリセットとカラーの間のリストのようなアイコンをクリックし、
「保持」の箇所のチェックを外します。(ホワイト、ブラック、グレー3つともチェックを外します)
以下の画像のアイコンをクリックすると、ランダムに色が変わります。
自分の好きな色の時に確定してください。
次に、使いたい色を5-6色くらいフォルダにまとめたカラーグループを作成します。
(5-6色のスウォッチを作成し、スウォッチパネル下部の「カラーグループを作成」を押して、
そのフォルダに入れればOKです。)
先ほど作成したランダムな正方形を選択した状態で、スウォッチパネルのフォルダアイコンをダブルクリックすれば、
勝手に色が変換されます。
step6の状態で問題がなければそれで終了なのですが、
実際は思ったよりランダムではない場合(どれか1色が多い、なぜか固まっている等)が多いので、
スポイトツール等を使用して、自分でランダムな配色を作ります。
正方形なのでスウォッチにドラッグすればすぐにパターンとして使用できます。
上記で作成したモザイクパターンを、ビールの様な色に調整したのち、レイアウトしてみます。
書体はハイネケンのような、少しキリッとしたものを選んでみました。
Morisawa fontに収録されている「Caslon MO Pro」です。
ポスター全体がジョッキのような、なんとなくそんなイメージのデザインです。
方向性が固まってきたので、ここからデザインを詰めていきます。
もう少し惹きつけるデザインにするため、タイトル部分を泡っぽくできないかと、
いろいろ試してみました。
最終的には、モザイク部分に垂れる泡のみを残しました。
まだ追加していなかった、メニューと価格の入れ方を考えいます。
なんとなく、ジョッキの下から湧き上がる泡に入っていたらいいかなと思い作ってみたのですが、
これはすぐに却下しました、、、
タイトルの下にもモザイク柄を入れる、地図部分の背景だけ少し変えてみる、
等の色々なアイデアを試してみます。
この時にいいものができたらそれを採用し、ダメなら元のバージョンで進めています。
ちょっといろいろ足しすぎて、ゴテゴテしてしまった印象です。
元の形に戻しつつ、少し調整して最終的にこのようなデザインになりました。
いかがでしたでしょうか。
最終的にタイトル部分は強めにしてしまいましたが、デザイン的にはもう少しシンプルでもよかったかもしれません。
ただ実際にポスターが張り出される場所はお店の一角であったり、路上です。
中途半端なデザインでは目に入らない事が多いので、特に効果を求める飲食店さんの場合は、
少し強めに強調した方がよいと私は考えています。
おそらく値段をもっと大きく、曜日は日本語だけでいいから大きく、等の修正が入る可能性がありますが、
一旦このくらいの妥協点で初回提案するようにしています。
もちろんもっとスタイリッシュなお店のポスターの場合は、もっともっとシンプルでいいと思います。
お店のイメージに合わせてデザインも変えられるように、気をつけて作成しています。
今回もここまで読んでいただき、ありがとうございました!