キラキラしたイメージのカフェロゴ、ノーアイデアから作成する手順

ロゴ制作の依頼が来た時、みなさんはどのような手順で作成していますか?
私は内容によっては手書きのスケッチ等を作成しますが、とりあえずイラレを開いて作り始めます。
今回はノープランからのアイデアの出し方も含めて、作成の手順を説明してみます。

今回作成したデザインはこちら

依頼内容の確認

今回の依頼は、知り合いのカフェオーナーからきた、という想定です。
内容は新しい、illumination cafeという光の内装にこだわったカフェ、ということです。
「おしゃれで、光っぽいキラキラしたようなロゴ」を作って欲しいくらいの要望があった、
ということにします。
実際「おしゃれに」という依頼は多いのですが、かなり人それぞれの感性に偏ってしまいますので、
もっとリスニングをする必要がありますが、仮のデザインなのでその辺は曖昧に進めます。
youtubeでは実際の作業画面を動画公開していますので、
その方がわかりやすいよ!という方は是非チェックしてみてください。

step.01 イメージ出し

本来は打ち合わせ中に、こういうロゴのイメージですよね? といった感じで、ダイレクトに確認することがよくあります。
メールやzoom等だとやりづらいのですが、この作業ができる状態であればそれをするのが一番効率的です。
そのイメージの出し方ですが、一番私が使用するのがpinterestです。

アカウントを作ってしまえば、デザインのトーンでまとめたり、ポスター、チラシ、カード等、カテゴリーを作ってイメージをまとめることができます。
著作権に配慮して、画像は載せませんが、今回のような場合、

キラキラ ロゴ

で検索してみるのが良いと思います。
それだけで光をイメージしたロゴがいくつか、出てきます。
ここであまりピンと来なかった時は、英語で検索します。

Light Logo

もう少しデザイナーっぽいアイデアが出てきたのではないでしょうか。
イメージを探す時は是非英語で調べてみてください。

そうすると多色配色で、半透明のオブジェクトを重ねたようなイメージが見つかりました。
具体的にはこのようなものです。
(pinterestのピンを直接載せるのは著作権的に問題がある場合があるので、画像を掲載しているサイトのURLを記載しています)

どれも素敵なデザインですね。
このような、多色を使用してイルミネーション感を出す方向で考えることにしました。

step.02 実際に触ってみる

ここでラフスケッチを描く人もいると思います。(最初から描く人がほとんどかと思います)
でも私は時間がもったいないのと、手書きをスキャンして、上からトレースしても、
自分の画力の問題でイメージ通りになることは限りなく無、ですので、、、
いきなりillustratorを開きます。
そしてとりあえず、IとCの2文字をロゴマーク化するために模索してみました。
なんとなく、こんな色ベタが重なっていい感じのロゴマークになるかな?くらいの考えで触り始めました。

実際出来上がったのは、下の画像のようなものです。

はい、とてもダサいです。
この方向はすぐさま却下しましょう。
IとCの形を変えたとしても、このくらいしか思いつきませんが、
正直上のものとあまり変わらないでしょう。

ふとIを小文字のiに変えた場合、
丸の形が2つ、大小並ぶことに気づきました。
実際の作業では作っていませんが、こんな想像をしています。

上と下の繋いでいる線は、スポットライトなどの光を想像しています。
でもこのままではあまりおしゃれではありませんね。
では線をつなげて、簡略化してみるのはどうでしょうか。

これは実際の作業途中のロゴマークです。
この方向性なら、ギリギリiとCと読めながら、
面白い形になりそうな予感がしました。
そしてこれが最終形のロゴマークのカタチになります。
(着色はこれからです)

step.03 文字部分の整理

今度はロゴマークの下に入る、文字部分を調整します。
と言っても、今回のロゴはあまりコテコテなデザインにはするつもりがないため、
かなりシンプルに入れるつもりです。
matterという素敵なフォントがあり、そちらを使用しました。

あまりstep02から変わっていませんが、このような状態です。

step.04 グラデーションをつける

おおまかな方向性が決まってきたので、色をつけてみます。
今回使用したのはillustratorの「フリーグラデーション」機能です。
いつの間にか増えていた機能なのですが、今までの円状、線状のグラデーションではなく、
メッシュのような、自分の好きな箇所に点を打って、その点ごとに色を変えられるという、
かなり素晴らしいグラデーション機能になります。

これをロゴマークに適応してみます。
まずはカラーを作成するところから始めます。

フリーグラデーションの作り方

5色のカラーを作成する

例えばグラデーションに5色使う時、どのように色を作成しますか?
1色づつ手入力で作成するのも良いと思います。
ただここでも便利な機能があるのでご紹介します。
「カラーガイド」を使用して色を作成する方法です。
カラーガイドは「ウィンドウ」→「カラーガイド」、「カラーガイド」のパレット右下の「カラーを編集」で、
丸い色相関図のパレットが出してみてください。

この相関図を直接いじることで、簡単に理論上美しいとされている配色を作成できます。
配色についてはまた別の機会でご紹介しますが、今回はペンタード配色を作成します。
ペンタード配色は相関図を5等分になるような形で色を選ぶことです。
3色ならトライアド、4色ならテトラード、など、色々と手法があります。
相関図を直接いじるには、この下画像の赤枠アイコンをクリックしてリンクを解除しましょう。

こんな感じで5色選びました。ここから微調整するので、ざっくりとで大丈夫です。
ペンタード配色云々も書いていますが、これも何となくで大丈夫です。
結局最後は仕上がりを見ながら調整します。

この5色をスウォッチに追加すればstep1は終了です。
パネルでOKを押して、次のパネルの右下にある「カラーグループをスウォッチに追加」してください。

グラデーションをつける

スウォッチに追加した5色を使って、グラデーションをいれます。
まずは先ほどのロゴマークはまだ線の状態なので、
「オブジェクト」→「分割・拡張」で線を塗りに変換します。
変換できたらグラデーションパネルのここをクリック。

あとは任意の場所にピンを追加し、そのピンにスウォッチから色をドラッグすれば出来上がりです。

step.05 文字詰め

次に下の文字部分をもう少し仕上げていきます。
本来はマークはマーク、文字は文字、で仕上げていく方が効率的だと思いますが、
思いつきで作っているので気になった箇所から進めています。
さて、文字詰めです。
文字詰めについて後日別記事を書く予定ですので、ここでは簡単に記載します。

文字詰めの方法は人それぞれですが、
とにかく全ての文字が同じくらいの間隔に見えればOKです。
私はIとN等の直線同士の距離が全て同じにして、
AやTの直線でない文字の距離は見た目で詰めます。
最後に文字を上下反転して微調整をするようにしています。
上下反転はややこしくなるので、現実的に同じ距離にする方法と、調整方法を図解してみました。

書き忘れていましたが、私は字詰めがとても苦手です。
字詰めが上手い人にこれを見られたら、もっとここ詰めて、等言われると思います。
何年やっても正解には辿り着けませんが、やらないよりややった方が確実に仕上がりがよくなります。
最後に何もしていないものと、字詰めしたものを見比べましょう。

あんまり変わりませんでしたね、、、私の字詰めレベルではこの程度です。
まぁそんなもんです。ほんの少し、目に文字が入ってきた時にマイルドになる、
程度の効果です。

step.06 最終調整

実はstep05の字詰めは後からもう一度したものなので、
この後添付するロゴの字詰めは少し甘いです。
最後の調整として、文字部分に色をつけ、すこーしだけ、文字を変形させました。

そのままでもよいのですが、少しだけ変化を加えるとより印象に残るロゴになります。
今回は光がテーマなので、光で文字が部分的に欠けている、というコンセプトで、
LLの横線を少し、TIONのNを少し削り、CAFEのEの下部も少し削りました。
最後にロゴマークに対して左右ぴったり同じサイズになるようにして、終了です。
動画では別バージョンの検証もしていますが、長くなるので割愛しました。
よろしければ動画も見てみてください。

こちらがもう一度完成ロゴです。

まとめ

今回はノープランからロゴを作成してみましたが、いかがでしたでしょうか。
昔は本屋でロゴの作例集を買ってきて、いろいろなアイデアを探していましたが、
今はインターネットからアイデア出しがかなり簡単にできます。
もちろんそのまま使用するのはNGですが、デザインのアイデアの種として使用する分には問題ないと思います。
それではご拝読、ありがとうございました!

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