【カラーキャリブレーション】グラフィックデザイナーのディスプレイの色管理

カラーキャリブレーション、していますか? mac bookやimacを使用している方はあまり必要ないのかもしれませんが、
Mac studioやMac proの方はstudio displayを使っていない限りはサードパーティのディスプレイを使っているかと思います。
今回は私の行なっているキャリブレーションについてご紹介します。

(注:2023年10月現在の情報になります。キャリブレーションについては一般ユーザーの目線でお薦めしているので、白色点が、プロファイルの、sRGBで、、、等の専門的な目線は一切入っておりません。ざっくりとした知識しかない、印刷物メインのデザイナー目線の記事になりますので、ご了承ください)

まずは結論! calibrite CCDIS3HL ディスプレイプロ HLで管理するのが思います!

結論としては、少し値が張るのですがcalibrite DISPLAY SLを購入してキャリブレーションするのがベストかと思います!

カラーキャリブレーションって?

まず、キャリブレーションってなんだ?という話ですよね。
主に以下のような意図があり、キャリブレーションします。

  • モニタ同士の色を合わせる
  • モニタとプリンタの色を合わせる
  • モニタと印刷物の色を合わせる


例えば2台以上のモニタで仕事されている方、右と左で写真やデザインソフト上での色が違っていたりしませんか?
家では3台のモニタを使用しているのですが、
同じ画像をそれぞれのモニタで写したところが以下の写真です。

明らかに右のモニタの色が違うのですが、これは動画メインで使用するモニタなので、HDRをオンにしているからだと思います。(グラフィックデザインでHDRを入れるとかなり色が変わってしまうので、ご注意を!)
真ん中と左はほぼ同じ色になるように「キャリブレーション」しています。

モニタ1台だから関係ない、と思った方もいるかもしれません。
しかし自分の作ったデザインが、送った相手に全く違う色で表示されているとしたら、、、?
デザイナーとしてはなかなか歯がゆい状態だと思います。
特にライトベージュなどに黄色系の明るい色は、ディスプレイによって再現度がマチマチなので、
「え、色敷いてたんですか!?」なんてことはまれにあります。(これは相手のモニタが原因の場合も多々ありますが)

そのようなことにならないよう基準とされている色の見え方と、自分のモニタの色の見え方で差をなくしましょう、
というのがカラーキャリブレーションということになります。

さらに言うと、印刷物を扱うデザイナーさんの場合はプリンターも合わせてキャリブレーションし、
自分のディスプレイとプリンタの色を合わせることもできます。
(別売りの専用スキャナ(高額!)が必要な場合が多いですが)
一番有用なのは、実際の印刷物とディスプレイの色を合わせることです。
色校正で作っていたものと印象が違う色で出てきた!なんてことはありませんか。このようなことを防げますし、印刷会社の方で色がずれている可能性もあるので、それが指定できます。(実際はCMYKの色見本と見比べてから伝えますが、、、)

カラーキャリブレーション機器の大手

では早速、キャリブレーションのやり方について。
これ、一般的に自力ではできません、、、
厳密には自分でカラープロファイルを作成することはできなくはないのですが、
相当な知識がないとできないと思います、、、私にはさっぱりです。
なのでモニタの色を測定し、定義されている色との差を自動で修正してくれるアイテムが必要になります。
実はあまり種類が多くないのですが、基本はこの2社がメインだと思います。

1. calibrite

もともとX-Riteというキャリブレーションの大手があったのですが、こちらの写真・映像制作事業から移行してcalibrite社になりました。
今でも販売があるi1 pro等の製品は、calibrite社が引き継いでいるので、現在はもっといろいろなもののキャリブレーションや印刷会社向けの機器扱っています。個人のデザイナーや一般的なデザイン事務所にはここまで大それた機器は不要だと思います。

こちらは今のX-Rite社。かなり高額ですが、専門的な機材を取り扱っています。

amazonでは以前のi1 display proも販売していました。(2023年10月現在)
おそらく無くなり次第販売終了かと思います。
昔のこういった機器は劣化があり、できるだけ製造されてから日が浅いものを買いたかった、なんて時代もあったようですが、そこまで現在は劣化は少ないようです。
なのでこちらの商品であれば割安に購入できますが、いつ製造のものがくるかはわかりませんので、自己責任になります。

そして現在、calibrite社が上記のi1 Displayの商品を引き継いで出しているのがこちら、記事の頭でも紹介したCalibrite ColorChecker Displayのシリーズになります。

それぞれ「Display SL」、「Display Pro HL」、「Display PLUS HL」と3種類ありますので、後ほど紹介します。

2. Datacolor

こちらもX-Riteに並ぶ有名な会社です。
しかもほぼ似たようなラインナップで、似たようなものを売っており、
センサーもほぼ似たようなものなので、、、CalibriteとDatacolorどっちをお薦めしますが、と聞かれても、
「どっちでもいいんじゃない?」
と答えてしまいたくなります。。。
ただ、Calibriteのものより若干安くはありますので、こちらの方がお求めやすいかもしれません。
Calibrite製品でいう、Display SLがSpyderX Pro、Display pro HLがElite、Display PLUS HLがULTRAに当たる商品です。
ルミナンスがproとeliteでは750cd/㎡までなので、1000cd/㎡くらいのディスプレイを使っている人はCalibriteのSLかPro HLが良いと思います。

私自身、使った事がないのでおすすめしずらく、こちらの記事ではあまり触れませんが、
口コミやブログ記事を見る限り特に問題もなさそうですので、気になった方を購入されるのがよいのではないでしょうか。
個人的には1000cd/㎡くらいのディスプレイを今後購入する可能性も考え、calibriteにしました。

どのモデルがオススメ?

以降の記事では、私自身が使用しているcalibrite社の製品でご紹介させていただきます。
基本的には現在この3モデルが販売されています。

DISPLAY SL

DISPLAY PRO HL

DISPLAY PLUS HL

厳密には1世代前の無印DisplayとDisplay HLとそれぞれ2種類ずつ別にありますが、「HL」は「High Luminance」。つまり高輝度に対応しているかどうか、です。
HLのシリーズは3000cd/㎡くらいまで測定できますが、一般的なモニタはBenQのデザイナー用モニタで350 cd/㎡、EIZOでも同程度(特殊なモデルでも1000cd/㎡)、imacでは500cd/㎡、mac book proでは1000-最大1600cd/㎡、Pro Display XDRでも1000-最大1600cd/㎡です。
正直、3000もいりません😅
「HL」のつかないモデルであれば1000cd/㎡まで計測可能なので、mac book proやPro Displayのキャリブレーションがしたいという方にはDisplay Plusで2000cd/㎡まで可能です。(「SL」は入門用なので1000cd/㎡までしか測定できません)
「SL・HL」シリーズの違いはもう一点、USB-C接続が可能になりました。mac studioやmac bookだとアダプタ入らずで使えるので少し楽です。(USB-Aへのアダプタも付属しています)
もう一点、「スキャナープロファイル」というのが近日追加されるらしいです。おそらくスキャナーもキャリブレーションできるよ、という機能だと思います。

そのくらいの違いであれば無印でいいじゃん、と思うのですが、
SL・HLシリーズも、無印シリーズも値段は同じくらいな事が多いので、最新のSLかHLシリーズを購入した方が無難です。
(もし無印シリーズがかなり安くなっていたら、そちらを購入した方が得ですが)

では、どのモデルがお薦めでしょうか?
まずHP上の比較表がこちらに貼り付けました。
出典元はこちら

caribrite 比較表

もちろん、自身のモニタ環境による、となってしまいますが、まず最上位モデルのPLUSはデザイナーには不要でしょう。
10,000cd/㎡も不要ですし、そんなディスプレイはありません(明るすぎて見えませんし😀)
ではDISPLAYとDISPLAY PRO、どちらがよいか、となると、次のポイントで別れます。

DISPLAY SLがお薦めの人

  • 輝度が1000cd/㎡以下(ほとんどのモニタが当てはまりますが、一度メーカーHPで確認してください)
    appleではMac book pro 14インチ以上のモニタはPROにした方がよいです
  • モニタの均一性は気にしない人(例えば画面を真っ赤にしたとき、モニタの左上と右下で微妙に色が違っている等)
  • ハードウェアキャリブレーション(モニタ自体がキャリブレーション機能を持っている)がない人
    (これも大抵のモニタには付いていない機能です)
  • 環境光での違いは気にならない人

DISPLAY PRO HLがお薦めの人

  • Apple Liquid Retina XDRだったり、mini LEDディスプレイを使っている人、Mac book pro14インチ、16インチの人
  • 大きいモニタなので均一性のチェック・修正をしたい人
  • ハードウェアキャリブレーションを搭載したモニタの人
  • 環境光も検知したい人

つまり、超高額でハイスペックなモニタを持っている人はPRO、普通のモニタなら無印、ということで間違いないかと。
環境光はどうかと聞かれれば、正直時間によってプロファイルを変更したり、天気によって変えたり、さすがにそこまではしてられないので、私はいらないと思います、、、

まとめ

冒頭の通りになりますが、普通のデザイナーであればDISPLAY SLのか、


もしくはdatacolor社であればDatacolor SpyderX Proになります。

次回はCalibrite社のソフトで実際にキャリブレーションしている流れを記事にしたいと思います。
ここまでどうもありがとうございました!

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